第31章 中尾美希は後ろ姿が蓮の母に似ている

「もしもし、ママ。……電話、出てくれたんだね」

通話がつながるなり、中野蓮はおそるおそる、それでも弾む声を漏らした。

長谷川栞が自分を許してくれたから、きっと出てくれたのだ――そう思った。

「何?」

喜びを滲ませる声は伝わってくる。けれど長谷川栞の中に残っているのは、母子としての責任だけだった。

「ママ……」

冷たさを察し、中野蓮は泣くのをこらえて、無理に明るく言う。

「ママ、テスト満点だったよ。ちゃんと勉強して、言うことも聞いた」

「そう。よかったね」

淡々とした返事。

満点を誇らしがるでも、嬉しがるでもない。まるで点数の良し悪しなど、もうどうでもいいみたいに。

褒め...

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